2025.04.28

熊本発！心リハ躍進ストーリー ～医療者の熱意が地域を動かす～

松澤 泰志（熊本大学病院 循環器内科 医師）

熊本県では、循環器医療の未来を切り拓くため、2023年4月に「熊本県心臓リハビリテーション推進協議会」を設立しました。医療者、患者、企業、行政が一丸となり、県全体で心臓リハビリテーション（心リハ）推進に挑んでいます！

出発点は、外来心リハ実施率わずか3％という厳しい現実。そこから短期間で、外来率9.4％まで上昇させるという快挙を成し遂げました。共通パスの作成、指導士受験支援、心リハ施設マップ公開、市民公開講座開催、啓発活動、情報発信など、次々と10以上のプロジェクトを展開。中でも2024年に全県運用を開始した「心リハ地域連携パス」は、心リハの質を標準化・向上させるとともに、施設間の情報共有をスムーズにし、地域全体でのPDCAサイクルを回すための強力なツールとなっています。

この取り組みの原動力は、「熊本を本気で良くしたい」という医療者たちのあふれる熱意です。一人ひとりが自ら行動を起こし、仲間を巻き込み、地域を動かす推進力となっています。心リハ推進のために集まったワーキンググループは、わずか1年半で133名に拡大。急性期から回復期、生活期まで、それぞれの立場から地域医療の未来を支えようという想いが結集しています。

さらに、熊本城マラソン会場での啓発ブース出展、テレビ・新聞での特集、ホームページやSNSを通じた情報発信も積極的に展開。熊本県民に心リハを広く認知させる動きは、まさに「医療×地域×未来」をつなぐモデルケースです！

その活動は、2024年熊本大学医療活動表彰、くまもとSDGsアワード優秀賞といった形でも高く評価されました。現在は、生活期（維持期）リハビリの普及にも挑戦を開始し、遠隔リハビリ導入など、新たなチャレンジにも積極的に取り組んでいます。

私たちが目指すのは、心リハが特別なものではなく、誰もが当たり前に受けられる未来です。一般市民の認知向上、すべての適応患者への心リハ機会提供、急性期・回復期・生活期の分化・連携による、持続可能な地域医療システムの構築へ向け、熊本の挑戦は続きます。

そして今、熊本から全国へ、この熱いムーブメントが広がっていくことを心から願っています。

「熊本から全国へ、そして未来へ。」

楽しく、熱く、着実に。熊本は、これからも挑み続けます！

＜熊本県心リハ推進事業のホームページ＞

https://no-shin-kumamoto.com/rehabilitation

＜Instagram＞

https://www.instagram.com/kumamoto_care_united?igsh=YTJ0YTZyOTdnYzBm

＜公式Lineグループ（熊本県心リハネトワーク）＞

https://lin.ee/1QGPoTU