はじめよう、つづけよう 心臓リハビリテーション

社会復帰を目指す、回復期の注意事項

Cardiac rehab for recovery phase
ホーム 社会復帰を目指す、回復期の注意事項

回復期とは?

回復期とは、生命の危機を脱し、病状が安定した一般病棟での療養時期(回復期前期)から、退院後、日常生活に戻るまでの時期(回復期後期)を指します。心臓リハビリテーション(心臓リハビリ)は入院中から始まり、退院後の外来通院と合わせて150日間は保険が適応されます。
この時期では、入院生活で低下した体力を徐々に取り戻し、日常生活や社会生活への復帰することだけでなく、病気との付き合い方を身に着け、再発予防に取り組むことが目標となります。心臓の病気は慢性疾患です。再発や再入院を防ぐためには、自分に合った運動療法や食事療法、生活管理などの自己管理方法を身につける必要があります。この時期にこれらをしっかり身に着けることが、その後の人生に大きく影響します。
回復期の心臓リハビリは、体力を回復し、自己管理方法を身につけるためのプログラムです。医師・看護師・理学療法士・公認心理師・健康運動指導士・薬剤師・社会福祉士など様々な専門家と一緒に、この大切な回復期を過ごしましょう。


社会復帰を目指す、回復期の注意事項

虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)

カテーテル治療が大きく進歩し、短い入院で細くなった血管を治療できるようになりました。しかし、血管が細くなる動脈硬化の原因(冠危険因子)を改善しない限り、たとえカテーテル治療を受けても、再発のリスクが高く、生命予後は改善されません。冠危険因子となるものは、喫煙、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満、心理的因子があり、食習慣や生活習慣から引き起こされるものが多くあります。
ご自身の冠危険因子が何であるかを十分理解して原因の改善に取り組むことが、生命予後の改善と健康寿命の延長へとつながります。

心臓・大血管術後

胸を大きく開け手術を行うことは、からだに大きな負担となり体力が低下します。からだが耐えられる範囲を超えてしまうと、かえって体調を崩してしまう可能性があります。このため、からだの状態を適切に評価し、それに見合った負荷量で、段階的に活動範囲を広げていく必要があります。胸骨切開を行われた方は、胸骨が完全に融合するまで胸骨に負担のかかる動作は行えません。日常生活や職場復帰を考える時には、必要となる作業量が、現在のからだ状態の耐えられる負荷量を超えていないか考慮して復帰の時期を考える必要があります。
また、手術を受けたからといって再発をしない保証はありません。手術を受けたことによって生じるからだの変化に十分注意すると同時に、再発予防のために、運動療法・食事療法・生活改善を行う必要があります。

心不全

呼吸困難となり苦しかった症状も、入院して治療すると治ったかのように感じてしまうこともあります。しかし、慢性的に力が弱まっている心臓では、からだの中で調整が崩れてしまった状態(急性増悪期)と、うまく調整が取れている状態(代償期)とを繰り返す特徴があります。こうした心臓では、増悪期を繰り返すたびに心臓の力が弱くなってしまうため、繰り返さないことが大切です。
塩分の取りすぎ、薬の飲み忘れ、感染症、過労、暴飲暴食、ストレスなどが悪化のきっかけとなることが多いと言われています。自分の心臓が悪くなったきっかけはどんなことだったか、生活を振り返り、繰り返さないように行動や環境の改善・調整を行うことが必要となります。

お問い合わせ先

公益財団法人 榊原記念財団 附属 榊原記念病院
電話番号 : 042(314)3111
対応時間 : 月~金 10:00~16:00
(祝日年末年始を除く)