はじめよう、つづけよう 心臓リハビリテーション

テレナース

Tele-nurse
2023.10.24

テレナーシングの質の確保と多職種介入

テレナーシングとは、看護師をはじめとした医療者が患者さんに電話等の情報通信技術を用いて遠隔による生活指導などのコミュニケーションを行うことです。テレナーシングを行う看護師をテレナースと呼びますが、生活指導の指導者は、看護師に限定されるものではありません。ほかの医療職(医師や理学療法士等)が指導する場合もありますが、現在のところ、心臓リハビリにおける生活指導はどの職種でどの資格をもつ医療者が行うか、決まったルールはありません。対面ではない指導が必要のため、円滑なコミュニケーションを行うことができる熟練した指導者である必要があり、表情の見えない患者さんからのサインを的確に察知し、医師や多職種カンファレンスにつなげる必要があります。情報通信技術で得られた在宅での生体のデータは、安全な運動療法を実施する為の客観的指標として重要な役割を果たすため、テレナーシングを行う医療者と患者の双方が、適切に通信機器を活用する能力が必要となることがあります。テレナーシングを行う医療者は、限られた時間内で効率的に患者情報を得るため、症状、バイタルサイン(血圧、脈拍数、酸素飽和度など)、運動量(歩数、歩行スピード、運動時間)、通信機器のトラブルに関する質問事項をあらかじめ作っておき、記録を残し、医療者で共有する必要があります。遠隔心リハ部門によるTelerehabを用いたテレナーシングは1名あたり10-30分程度行い、週に1回多職種によるミーティングを行っています。遠隔指導で心不全兆候や胸痛を認めた場合は医師に相談する必要があり、希死念慮などを認めた場合は、ただちに臨床心理士に相談する必要があります。また、就労支援が必要だと判断された場合は社会福祉士に連絡する必要も生じます。テレナーシング実施者に免許が必要かどうかについては、遠隔医療の普及や労務などを考慮しながら、質を担保しつつ過剰に厳しすぎないように配慮しないといけません。包括的心臓リハビリを行うためにはテレナーシングにおいても多職種連携は重要であり、非対面で限られた時間の中で円滑に進めていくためにシステム構築が今後の課題です。

 

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