はじめよう、つづけよう 心臓リハビリテーション

心リハ UP TO DATE

Up to date
ホーム 心リハ UP TO DATE
2022.07.10

肺動脈性肺高血圧症の心臓リハビリテーション

東京大学 新保麻衣 医師
vitalsign

 肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療は肺血管拡張薬が中心だが、非経口薬物療法(経静脈/皮下注)や肺移植を要する重症例も存在し、生活指導や活動度評価、フレイル予防も行う必要がある。治療後も症状が残存する例もあり、生活の質(QOL)のためにも心臓リハビリ(心リハ)の意義は大きい。

 本邦のガイドラインでは安定した中等症以下のPAHへの監視下運動療法がclass Ⅱaであるが、右心不全が主体のPAHへの運動プログラムは確立されておらず経験豊富な施設で慎重に行うべきとされる1)。実際の内容は特殊なものではなく、患者の状態に合わせコンディショニング、筋力トレーニング、歩行や自転車エルゴメータによる運動等が含まれる。バイタルサイン等には十分注意を払い、過負荷にならないようにする。

 近年では心疾患患者へのICT(情報通信技術)を用いたリアルタイム遠隔心リハや在宅心リハの報告も増えている。PAH患者への安全性等エビデンス蓄積が必要だが、日常診療でも活用できる体制が整備されればよいと考えている。

1)日本循環器学会 / 日本心臓リハビリテーション学会合同ガイドライン 2021年度版心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン

お問い合わせ先

公益財団法人 榊原記念財団 附属 榊原記念病院
電話番号 : 042(314)3111
対応時間 : 月~金 10:00~16:00
(祝日年末年始を除く)