心リハQ&A(一般向け)
- 日常生活
お風呂に入る際の注意事項はありますか? 水圧、水温による血流変化を生じる可能性があります。一般的には38-40℃、10分以内の半身浴またはシャワー浴が推奨されます。前屈みになる姿勢は負荷になります。脱水予防として入浴前後に水分補給が必要です。手術後の患者さんは抜糸2日後から入浴可能であることが多いです。
- 日常生活
- 日常生活
術後自動車の運転はいつ頃から可能ですか? 胸骨正中切開術を受けた患者さんは術後1か月程度から可能ですが、胸骨の癒合には3か月要すると言われており、やむを得ない場合以外の運転は極力控えてください。
- 日常生活
- 日常生活
お酒は飲んでも良いですか? 日本高血圧学会ではアルコールの摂取量を1日30ミリリットル以内に制限することを推奨されています。(ビール日本酒1合)
- 日常生活
- 日常生活
仕事はいつ頃から復帰できますか? 心疾患の状態や仕事の内容により異なります。業務や通勤が心臓への負担となる可能性がありますので、主治医にご相談ください。
- 日常生活
- 趣味・活動
自分に合った運動がわかりません。(スポーツ、登山は可能かなど) 疾患の状況や患者さん本人の運動耐容能により適切な運動内容が異なります。一般的には有酸素運動が推奨されており、ウォーキングやサイクリング、ヨガなどがそれに当たります。適切な運動療法プログラムを把握するには、医師または理学療法士に確認することをお勧めします。
- 趣味・活動
- 趣味・活動
飛行機に乗っても良いですか? 担当医にご確認してください。一般的には問題ないことが多いです。
- 趣味・活動
- 服薬管理
薬はいつまで飲み続けるのですか? 心大血管疾患における内服は予防的かつ保護作用を期待して行なっていることもあり、生涯飲み続けていただきたいお薬もあります。内服の中断が再発につながる恐れもありますので、主治医に確認することをお勧めします。
- 服薬管理
- 疾患管理
胸骨を止めているワイヤーは取り外すのですか? ワイヤーは体内に残したままとなります。
- 疾患管理
- 疾患管理
予防接種は受けても良いですか? 担当医にご確認してください。一般的には感染を契機に心不全が悪くなること心配されるため、予防接種は受けることを推奨します。
- 疾患管理
- 日常生活
お風呂はいつから入って良いですか? 心臓の重症度や治療によって異なりますので、主治医に確認しましょう。
入浴中は、水圧や温度の影響で血圧が変動します。入浴される場合には、食事や運動直後は避けましょう。急な温度変化は血圧の変動を招くので、脱衣所と浴室の室温を温め、湯温は40~41℃にしましょう。水圧がかかるため、湯船には肩まで長く浸からないようにし、入浴時間は10分程度に留めましょう。
入浴中は水分が失われるので、入浴の前後で水分補給を行いましょう。
- 日常生活
- 日常生活
運転はできますか? 正中切開手術を受けた方(胸の中央を切開した手術)は、胸骨が完治するまで約3か月かかります。
一般的には手術1か月程度からは可能ですが、事故や急ブレーキなどの衝撃でずれる可能性があります。やむを得ない場合のみの運転に留めてください。MICS(低侵襲心臓手術)を受けた方の場合は、傷による運動制限はありませんが、体力の回復には個人差があります。退院後の運転の開始は主治医に相談したうえで行いましょう。
不整脈やペースメーカー治療をされた方は、道路交通法で運転が禁止されている期間がある場合があります。主治医へ確認しましょう。
- 日常生活
- 日常生活
性生活は可能ですか? 通常の日常生活(2.8Mets以上)が送れていればパートナーとの性行為は問題ありません。しかし、過度に興奮を招く行為は、過度に血圧や心拍数の上昇を招くので危険です。また、バイアグラなどの薬剤の使用は、主治医に相談しましょう。
- 日常生活
- 日常生活
水分はどれくらいとっても良いですか? 心臓や腎臓の状態によっては、水分制限が必要な場合があります。主治医から指示がある場合は、制限されている摂取量を守りましょう。
特に主治医から指示がない場合でも、脱水やうっ血にならないように適量の摂取が必要です。水分は一度にとらずに小まめに摂取しましょう。また、体重測定を毎日行い、からだに水分が溜まりすぎていないか確認しましょう。
- 日常生活
- 日常生活
お酒は飲んでも良いですか? アルコール性心筋症と診断された方の場合は、飲酒は禁忌になります。また、不整脈を誘発する可能性があるのでお勧めできない方もいます。量や頻度など主治医と相談しましょう。
一般的にはアルコールは血圧の変動や、中性脂肪の上昇を招くため、過度な飲酒は心臓病の悪化のリスクとなります。適量の範囲を守りましょう。
※アルコールの適量範囲
①週に2-3日の休肝日を設ける
②一日の摂取量が純アルコール量20g/日以下となること
お酒の量(ml)×アルコール度数/100×0.8(アルコールの比重)=純アルコール量(g)適量は上記の式で求められますが、おおよその目安としては、ビール500ml、日本酒180ml、ワイン200ml、ウイスキー60ml、焼酎90mlです。
おつまみは、脂っこいものや塩分が強いものは避けましょう。
- 日常生活
- 就業
どのくらいで仕事ができますか? いつから、どのように仕事に復帰するかは、その仕事の量や内容、通院時間、手段などを考慮する必要があります。心臓病と仕事を両立するためにご自身の体に合った方法が必要です。主治医や職場の産業医とよく相談しましょう。国からの支援制度もありますので、社会福祉士に相談するのもよいでしょう。
- 就業
- 趣味・活動
旅行に行っても良いですか? 旅行時は普段の生活と違い、食事時間や活動量が異なります。また、ツアーなどを利用される場合は、他人のペースに合わせてしまうなど、負担が大きくなる可能性があります。どの程度の旅行であれば可能であるか、主治医と相談し、無理のないスケジュールを組みましょう。
海外旅行については、緊急時に現地で医療を受けることに備えて、「旅行用塩分診断書」を持参することをお勧めいたします。
ただし、平地での歩行で息切れ症状が出る状態の方にはお勧めはできません。冠婚葬祭などで、遠方に行く必要がある場合などは、主治医とよく相談してください。
- 趣味・活動
- 趣味・活動
温泉は入って良いですか? ご自宅で問題なく入浴できている方の場合は、特に制限はありません。ただし、温泉地などで入浴される場合は、普段と異なる入浴方法(長時間入浴・繰り返し入浴など)をしてしまうことがあります。普段通りの入浴方法を心がけましょう。塩分やカリウム制限をしている場合は、泉質によって過剰に含まれている場合がありますので、飲泉は避けましょう。
- 趣味・活動
- 趣味・活動
飛行機に乗っても良いですか? 心臓の状態や治療状況によって判断が必要です。平地での歩行で息切れ症状が出る状態の方にはお勧めできません。事前に主治医に確認しましょう。
飛行機を使用する場合は、航空会社によっては診断書が求められる場合がありますので、事前に確認しておくとよいでしょう。
また事前予約で減塩食などの特別食を提供する航空会社もありますので活用するのもよいでしょう。
- 趣味・活動
- 趣味・活動
登山はして良いですか? 登山の可否は心臓病の重症度と標高・登山行程などによって異なります。
高山や長時間の登山行程の場合は心臓への負荷が大きく心臓事故が起こる可能性があります。また、登山中は怪我をすることも少なくなく、抗凝固薬など血液をサラサラにする薬を内服されている方は大量出血につながる場合があります。
医療環境のない環境であるリスクを考慮したうえ、主治医へ相談し、安全な登山を行いましょう。
- 趣味・活動
- 趣味・活動
今までしていた趣味活動や運動を再開しても良いですか? 趣味活動の内容や運動の強度によって異なります。
正中切開手術を受けた方(胸の中央を切開した手術)は、胸骨が完治するまで約3か月かかります。一般的には手術後から3か月後以降に再開をお勧めします。
MICS(低侵襲心臓手術)を受けた方の場合は、胸骨切開による運動制限はありませんが、心臓の状態は個人差があります。
心肺負荷試験から得られる結果(Mets)など検査結果から、自分の心臓の状態が、趣味活動や運動の強度に耐えられるかどうかをしっかり評価することが望ましいです。主治医へ活動の許容範囲を確認しましょう。
- 趣味・活動
- 服薬管理
薬を飲み忘れた時はどうしたら良いですか? 飲み忘れに気がついたときに飲みましょう。ただし、1日の中で同じ薬を分けて飲んでいる場合や食事と関連がある薬の場合は特に注意が必要です。飲み忘れたからといってまとめて内服することは危険です。次の服薬時間が近い場合は、忘れた薬は内服せず、次の内服分から服用してください。
迷う場合は主治医に連絡し、対処方法を確認しましょう。飲み忘れる事が度々ある場合は、ピルケースやお薬カレンダーの活用をお勧めします。また、かかりつけ薬局に薬の管理方法を相談するのもよいでしょう。
- 服薬管理
- 服薬管理
健康食品を利用しても良いですか? 健康食品に含まれる成分によっては、内服されている薬の作用を阻害してしまう可能性があります。健康食品のご利用を希望される場合は、その健康食品の成分表をご用意の上、主治医または、かかりつけ薬局に相談しましょう。
- 服薬管理
- 疾患管理
いつまで血圧や体重の測定を続けるのですか? ご自身のからだの状態の把握や、適切な内服治療を行うために、家庭で測定する血圧・脈拍・体重の値はとても重要です。また、異常を早期に発見し、早期に受診行動がとれることが病気の悪化の予防となりなります。習慣化し、生涯にわたり継続していきましょう。
- 疾患管理
- 疾患管理
予防接種は受けても良いですか? 心臓病は肺炎などの感染症にかかると悪化する可能性があります。インフルエンザや肺炎球菌ワクチンなどの予防接種を受けることをお勧めします。
予防接種を希望される場合は、ワクチンの種類によって間隔をあける期間がありますので、主治医に相談し、予防接種計画を立てましょう。
- 疾患管理
- 用語
維持期とはいつのことですか? 維持期とは、病気発症後に状態が安定し、社会復帰した後の時期ことです。維持期には生涯にわたり包括的心臓リハビリが行われるべきとされています。体力維持、生活習慣の是正の維持など、自己管理が重要です。
- 用語
- 用語
包括的心臓リハビリテーションとは何ですか? 有酸素トレーニングなどの運動療法だけではなく、患者教育、カウンセリングなどを包括的に行うことで心血管疾患の再発予防を目指すプログラムのことです。生活の質(QOL)や長期予後の改善、心血管疾患の予防を目指すという概念も含まれ、急性期から維持期、さらには終末期まで対象となっています。包括的心臓リハビリ達成のため、多職種のスタッフが関わり患者様をチームで支えています。
- 用語
- 活動
心臓リハビリテーションはどこで受けられますか? ご自身のかかりつけ医で受けられるかどうか、対象となるかなど、主治医や医療スタッフに確認してみましょう。
心臓リハビリテーションが受けられる施設は、日本心臓リハビリテーション学会のホームページでも公開されています。(施設によって実施形態が異なる場合がありますので確認が必要です。)
また、心臓リハビリテーションは開始から150日間は健康保険が適用されます。それ以降については主治医に確認してください。
- 活動
- 日常生活
運動しようと思ってもなかなかできません。どうしたら良いですか? 散歩など無理のない範囲からはじめて、継続してみてください。
維持期では個々の生活レベルに合った運動が必要とされます。どの程度運動してもよいのかは主治医へ確認しましょう。
なお、当院では心臓リハビリの保険診療の期間が終了した患者さんに対して、自費で行う「健康増進プログラム」を提供しています。ご興味のある方はスタッフにお尋ねください。
- 日常生活
- 日常生活
息切れを感じます。どうしたら良いですか? まずは主治医に相談し、心不全の悪化や貧血などの息切れの原因となるような所見がないか確認してもらいましょう。治療する必要がある所見が見つかりましたら、治療してもらいましょう。
治療が必要な所見がない場合、筋力低下などでも息切れを感じることがあります。そのような場合には外来心臓リハビリテーションに参加して体力増強などを目指すのもひとつの方法です。(その時の体の状態やかかりつけ医の体制によっては行えない場合もありますので、主治医に相談してみてください。)
- 日常生活
- 日常生活
運動の強度はどれくらいが良いですか? 運動の可否、強度については主治医に確認しましょう。
その上で、無理のない範囲から始め、徐々に強度を強くしていくと良いでしょう。
心肺運動負荷試験という検査で、適切な運動強度を確認することもできます。
- 日常生活
- 日常生活
少しくらいタバコを吸っても良いですか? 完全禁煙を継続してください。
喫煙はすべての心血管疾患を悪化させる危険因子です。タバコの種類は問わず、少量の喫煙であっても心血管疾患の危険性が増します。
禁煙することで疾患発症や死亡の危険性が低下し、その効果は年齢や性別を問わず見られます。
受動喫煙も避けるようにしましょう。
- 日常生活
- 疾患管理
病気が再発しないためにはどのようにしたら良いですか? 心血管疾患を再発、再増悪させないためには、まずしっかり通院し、薬をきちんと飲みましょう。
食事内容や生活習慣に注意を払い、適度な運動を継続しましょう。
不安なことがある場合や具合が悪い場合などは、主治医や医療スタッフに早めに相談してみましょう。
- 疾患管理
- 疾患管理
私の病名は何ですか? 主治医に確認しましょう。
病気とうまく付き合っていくためにも、ご自身の病気を知ることは非常に重要です。どのような病気で通院しているのか、どのような薬をなぜ飲んでいるのか、どのようにしたらスムーズに日常生活が送れるのか、確認してみてください。現在はインターネットでも多くの情報が手に入りますが、個々で状況は異なりますので必ず主治医に確認しましょう。
- 疾患管理
- 服薬管理
特に症状はありませんが、薬はいつまで飲み続けるのですか?やめてもいいですか? 心血管疾患の薬は、生涯にわたり継続する必要があります。心血管疾患のコントロール、再発予防に非常に重要です。自己判断で薬をやめてはいけません。
一方、お体の状態や検査結果によっては薬の減量または中止を検討する場合もあります。主治医に確認しましょう。
- 服薬管理
お問い合わせ先
- 公益財団法人 榊原記念財団 附属 榊原記念病院
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(祝日年末年始を除く)